いままで読んだ経営学の本の中では、一番面白かった。ポーター(“Competitive strategy”)よりも、クリステンセン(『イノベーションのジレンマ』)よりも。
本書でたびたび登場するブルー・オーシャンの例を一つあげると、サーカス業界におけるシルク・ド・ソレイユ。動物を使った子供への見世物、という既存の枠を壊して、大人の娯楽を提供する、という概念で勝負し、ブルー・オーシャンを創造しましたよ、と。要は、発想の転換ってことですね。僕が思いつく例は、黒い綿棒、3万円の高級傘、北海道の旭川動物園とか。
第二章の分析のためのツールとフレームワーク、ってところで紹介されている「戦略キャンバス」「4つのアクション」「アクション・マトリクス」は、使い勝手が良さそう。
というわけで、良書です。ですが、一点だけ気になった。それは、巻末資料C。なんか、ミクロ経済学っぽい図が出ていて、本書の主張をミクロ経済学的に分析しているんだが・・・。分析がいい加減すぎて、イマイチなに言ってるか分からん。
ブルー・オーシャン戦略の柱は、価格を設定して生産量を抑えることではなく、手ごろな価格設定によって書い手にとっての価値を高め、それをテコに総需要を新たな水準に引き上げることである。(p284)
とか言っているのだが・・・もうちょっと緻密な説明をしてほしい。
コメント
[…] 何か1つダントツなところがある製品を作ろう、という考え方は、『ブルー・オーシャン戦略』をremindさせる。 […]
[…] Microsoftと競争して現時点では成功しているわけだから。・・・いや、ブルー・オーシャン戦略をとったという意味では、Sony, […]
[…] 買った。28,700円。こんなに安くていいのか。NintendoがWiiで切り開いたブルー・オーシャンも血みどろのレッド・オーシャンになるのか。今後の展開が見ものだ。 […]
[…] そして、ようやく本題。2021年の抱負。『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』のアクションマトリックス風に書いてみると・・・ […]