『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』の読書感想

超有名本。有名すぎて既に著者の主張を知っていたので、読まなくても良かったかも。Life is beautifulさんのこのエントリーでも読めば、だいたい本書の主張は分かる。

 
正直、このジレンマを経験できるレベルの企業はそう多くは無い。 

さて、いくつかメモ。

組織にできることとできないことは、資源、プロセス、価値基準の三つの要因によって決まる。
(p220)

カリフォルニア州サンフランシスコのウィンダミア・アソシエーツは、「購買階層」という製品進化モデルを作成した。このモデルは、機能、信頼性、利便性、価格の四段階を一般的なサイクルとしている。
(p254)

ハーバードビジネススクールは、学問的厳密性と、実践的応用性の両方を重視しているらしいが、本書はその鑑なんだとか。

コメント

  1. […]   で、著者の答えを簡単に僕なりの言葉で要約すれば「技術には高品質高機能化のための技術と、低コスト化のための技術があるのだけど、日本半導体メーカーは技術といったら前者だけだと思っていて後者は技術だと思っていなかった。そこへきて、韓国・台湾の半導体メーカーが後者の技術を身につけて(破壊的イノベーション)、前者の技術をレベルアップさせるだけの日本メーカー(持続的イノベーション)をたたきのめした。」   『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』の分析の枠組みを半導体業界に適用しただけなんだが、とっても分かりやすかった。今後もイノベーションのジレンマはいろんなところでお目にかかるんだろうな。合理的な経営をすると負ける、ってあーこわ。関連本で、『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』でも、いかにムダな機能をなくして安くするか、という戦略の重要性が描かれていたけど、「低コスト化をするのも技術がいる」って視点は、どちらの本でも指摘されていなかった気がする。そしてものづくりの場合、設計段階から低コスト設計を意識しないといけない、というお話につながっていた。なるほどね。そうすると設計部門の人材には相当なスキルが求められることになるのね。 あ、あとこれからはアジア・新興国・BRICsの時代だ、ということで、肌で感じるために世界一周したらしいです、この著者。例えばインドで車を売ろうと思ったら、 […]

  2. […] イノベーションのジレンマにしても、ブルー・オーシャン戦略にしても、「一番声の大きい顧客の声ばかりが反映されてしまうがために、気づいたらハイエンド市場に特化する方向に向かってしまっていた」という事態を打破すべし、ということを説いていると思う。 […]

  3. […] 『イノベーションのジレンマ』で有名なクリステンセン教授による2017年の本。『イノベーションのジレンマ』は、イノベーションに成功した企業がなぜ衰退するのかを明快に説明できていましたが、「どうやってイノベーションを起こすのか」については、説明できていませんでした。その答えが本書になります。 […]

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