”Competitive strategy”の読書感想

経営学の世界で有名な、マイケル・ポーターの『競争の戦略』の原著。実社会に出たということで、読んでみたんだけど、あんまり面白くはなかった。

ポーターは、PhD in Business Economicsを持った、経営学者。やっぱり経済学のバックグランドを持っているんだな、と感じさせる内容だった。というのは、コストとベネフィットの相対的関係を比較しまくっているから。参入障壁(コスト)が、その産業に新規参入した場合に得られる期待利益(ベネフィット)より高ければ参入するべきではないし、低ければ参入するべきである、とかね。他方、本書で使われる言葉使いはあまりにもいい加減なので、数学的厳密性を大事にする経済学の世界にいた身としては、この点が気になった。obviouslyとかclearlyとか、使いすぎ。僕にはそれほど明確には感じられないこともあったりしてね。ってまぁ、本書は一般人向けの経営学の啓蒙書なのだろうから、この点はポーターもあまり気にせず書いたんだろうけど。紹介されている理論も、ミクロ経済学みたいな厳密な数学をつかった理論とは違って、ちょこっとグラフを使ったもっとお手軽なものだし。経営学のことはよく知らないけど、一流ジャーナルになると、厳密な数学をつかった経営理論が研究されているはずだよね?

はじめて読んだ経営学の本だったんだけど、本書を読んで、「よし、ここに書いてある理論をつかって経営に生かそう」とはあまり思わなかった。参考にはなるけどね。「自分の会社の場合に特化した理論を、自分で考えよう」と思った。自分のところがよければそれでいいし。数学的厳密な理論を書くとのは違うし、いちおう修士まで経済学やったし、カンタンな仮説思考をグラフ化するくらいのことならできそうだし。

ちなみにPorterの略歴はここで読める。

He received a B.S.E. with high honors in aerospace and mechanical
engineering from Princeton University in 1969, where he was elected to
Phi Beta Kappa and Tau Beta Pi. He received an M.B.A. with high
distinction in 1971 from the Harvard Business School, where he was a
George F. Baker Scholar, and a Ph.D. in Business Economics from Harvard
University in 1973.

アンビリーバボーや・・・

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