『商売心得帖』の読書感想

素晴らしい本。松下幸之助の本はすでに二冊読んでいるが(『指導者の条件』『実践経営哲学』)、どれもお薦め。経営者は当然として、誰が読んでも影響を受けると思う。

松下幸之助はよく、「適正な利益」という表現を使うが、それが何なのかということを最近よく考える。需要曲線と供給曲線が交わるところで決定される価格が効率的な価格で望ましい、とか何とか昔習った気がするが(パレート効率的とか呼ばれている、あれのことだ)、実際にいろいろな財の価格を決める立場になってみると、けっこうこれって裁量的。

あまり強気に高い価格をいただくのはぼったくりだし、だからといって、あまり安くしすぎるお人よしさんも考え物。その中間にあるどこかの、「ちょうどココ」という価格を探し当てないといけない。値決めは経営(『アメーバ経営』)と稲盛和夫も言っているくらいで、とても難しい。

松下幸之助が書いたほかの本も読みたいって思った。読書が習慣になっている人なら、これが最高の褒め言葉ということが分かるはず。同じ著者が書いた本をまた読む、というのは、よっぽどいい本だった証拠ということ。

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