『家計3表生活防衛術』の読書感想

良書。家計の財務諸表を作成して財産管理しよう、って内容の本。

確かに、普通の家計簿ってただのCSだもんね。そしてCSはフローの概念なので、ストックがどうなってるか全然把握できない。(例えば、住宅の価値とか住宅ローンはどうなってるの、ってことが把握できない)。BSの概念は、家計にもすぐ適用可能。でも、
じゃぁPLは?家計の場合、生産活動をおこなっていないので(商売していないので)、PLはどうなるんだろう、って思ったけど、本書ではPLに対応する表を「財産増減表」と呼んでいた。で、この「財産増減表」というのは、家計簿(CS)を完全に内包する表(∵現金も財産の一つだから)。だから、後述するように、CSはつくる必要はないかな。

我が家のBSを作ってみたら、純資産はプラスで、自己資本比率は11%くらいだった。数字の良し悪しはわからないとしても、とりあえずプラスでよかったー・・・・と思ったけど、でもよく考えると、家計の場合、企業と違って儲けることが目的ではないし、短期的に利益を出さないといけないってプレッシャーもないので、別に債務超過状態でも、家計の場合は問題ないはずだよなぁ、って。要は、死ぬ直前にプラスに転じて債務超過を脱出できればいいわけだから。そうなるような人生設計があれば、債務超過でも問題ないはず。でも、自分はちゃんと純資産がプラスでよかった、よかった。

で、家計簿=CSだけど、BSとPLだけつけておけば、事実上問題ないはず。企業活動は売掛金とか買掛金とかのせいで取引のタイミングと、実際のキャッシュが動くタイミングが違うからこそ、CS管理が重要。だけど、家計の場合、キャッシュの動きと取引のタイミングは、ほとんど同じ。唯一違うとしたら、クレジットカードを利用したときだが、資産総額に比べたら、誤差みたいな額でしかないので、そこまで込み入ってBSの負債の部&CSを作成管理するほうがコスト大。とはいえ、毎月のお金の出入りの記録をつけるのは簡単なことなので、CS(家計簿)作成は、やるべきだと思うが。

よく知らないけど、ファイナンシャルプランナーって、こういう発想の勉強するのかしら?

by the way, 同じ著者が書いたこれ(『決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法』)も激おすすめ。

経済学勉強するより、財務諸表読めることのほうがよっぽど重要。

(追記)
実際には、家計簿(CS)と、財産簿(BS)だけつけてれば十分かな。財産増減表(PL)をつけずとも、「住宅ローン残高証明」みたいな書類が銀行から毎年送られてくるし、住宅と車の残存価値はざっくり簡単に計算できるし。となれば、BSの借方で流動資産がどうなっているか、BS作成時に実際の数字を(時価で)入れればいいだけ。どうせ完璧に家計簿(CS)や財産増減表(PL)はつけられないのだから。繰り返しになるが、毎月、お金を使いすぎたかどうかだけをみるために、家計簿(CS)を作る必要はあるけれど。

コメント

  1. […] 『家計3表生活防衛術』 […]

  2. […] とにかく超良書。思えば、この著者の本は、『家計3表生活防衛術』も含めてもう3冊も読んでいる。 […]

  3. […] 『家計3表生活防衛術』で学んだ方法をずっと続けている。ただの家計簿だとキャッシュフローにしか注目していない。バランスシートでお金(というか資産全体)を管理しましょう、ということ。 […]

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