これはヒットですね。僕の関心のスィートスポットにはまったかも。『ザ・プロフィット』で紹介されていたのがきっかけで読んだのですが、あれもいい本でした。
で、本書で僕が得たメッセージは
1)一見、どうやった計算したらいいか途方にくれる計算も、以外とカンタンにできちゃう。
2)統計確率の分野では、人間の直感はまったくあてにならない。
さて、まず1)について。最初のほうに「富士山を動かすにはどれくらいの時間がかかりますか」という質問が出てきたのだけれど、けっこうこれもカンタンに答えがでます。どうやって?と思ったら、本書を読んでみましょう。
ちなみに、これは『ビル・ゲイツの面接試験』にも登場する問題です。出版年度は『数学オンチの諸君!』のほうが早いので、本書を読んでビル・ゲイツの面接試験ができたのかもしれません。ビル・ゲイツのほうが難易度たかいね。本書では「どれくらいの時間がかかるか?」と具体的に質問しているので、ただちにフェルミ推定(『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス』とか『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』とか参照)できるけれど、ビル・ゲイツでは、「どうやって動かす?」って聞いているので、ただちにフェルミ推定しようという思考回路にはならない。ちょっと意地悪。
で、2)について。 確率や統計を学べば、偶然の一致が起こる可能性は驚くほど高いということが解るのですが、人間の直感はこの分野ではまったくあてにならないので、それを「必然」とか「運命」とか思い込んでしまうらしいです。
例えば、50%の確率で同じ誕生日の人がいるためには、そのグループに何人の人間がいる必要があるか?直感的には、365の半分の182,3人です。でも答えは、たったの23人です。(p39。)この例を理解するには、高校の「場合の数」の知識で十分なわけです。なんで23人でいいのか知りたければ本書を。
というわけで、なかなか面白い本でした。
たぶん、以下の本を好きな人は、この本も好きだと思います。
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