インフレとデフレに対する人びとの捉え方は、対称ではないんじゃないか

http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

下落幅は過去最大らしい。

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「日本経済がデフレに陥る懸念も強まっている。」とあるが、既にデフレに陥ってしまったと思う。

不確実性を扱うとき、利得と損失に対する経済主体の対応に非対称性があるといわれているが、インフレとデフレでも同じような非対称性があるのでは、と最近よく考える。例えば、労使交渉なんかを見ていてもそう思う。デフレになれば名目賃金を維持するだけで実質賃金をみれば賃上げをしていることに等しいが、労働組合はそんなことは考慮に入れない。結果、賃金は均衡賃金より高止まりする傾向を強くする。で、ナイーブな経済理論によれば、その結果失業率が高くなってしまう。

昔、東大の林文夫教授が、「日銀総裁人事をめぐってメモを書く」みたいなことを書いていた。(元記事はなくなった模様だが、ここなどを見ればまだ読める)。「民主党の仙谷氏は、名目金利と実質金利の区別ができていない、こんなとんでもない人が経済政策を担当するようでは,民主党には政権を任せられないと多くの人が思っただろう。」と書かれていて、その当時は、ごもっとも、と思ったのだが・・・。今思うと、民主党のそれなりの人ですら区別ができていないのだから、いわんや一般ピープルをや、と。でも経済学では、経済主体はみんなこの区別を明確に出来ると仮定しているので、結局、経済学って現実と向き合って分析する気がないんじゃないか、と受け取れる。

誰も実質経済変数なんか気にしてはいないのでは、ということ。そして、デフレになればなおさら名目変数を頭の中で実質化する作業が困難になるのでは、ということ。そしてこれが異時点間の資源配分を大きく歪ませてしまうのではないか、と。

コメント

  1. […] 昔、インフレとデフレに対する人びとの捉え方は、対称ではないんじゃないかって書いたけど、クルーグマンも似たようなこと書いてる。 […]

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