ちょーおもしれー。これ、なんで今まで知らなかったんだろう。・・・2007/9出版か。高校生のとき読んだら(ってたぶん当時の知識では、本書を楽しめるレベルになかったと思うけど)、絶対理系に進学したわ。この本、数十年の時間の淘汰には耐えられそう。
現代の数学が持っている連続な実数の概念,あるいは「実数論」というものは一つのモデルと捉えられるべきなのである.(p51)
現代数学における「実数論」が仮説でしかない、というのは恐ろしい。1万年後とかに、人類は今うちらが知っている数学とは全然違う数学をやっている可能性がある、と考えると不思議な感じがする。
・・・19世紀に入って「実数の連続性」という概念はようやくそれなりのモデルを得たのであるが,それは当時の数学が「実数」を自然界にすでに存在している数として捉えるのではなく,人間が最初から作り出すべき数なのであるという発想の転換をどこかでやったからである.(p52)
アキレスと亀のパラドックス、無理数の存在、1=0.999……などに直面した人類が、泣く泣く「実数を再構築した」ということ。数直線を書いてみるとどう考えてもすべての実数は、「最初からそこにある」ように感じるにもかかわらず。
主に実数論の基礎を構築するための要請として,19世紀数学は「集合論」という抽象的な装置を開発した.(p53)
こういう本を読むと、ラッセルのパラドックス、デデキントの切断、有理数の稠密性、集合の濃度(アラフ0とかアレフ1とか)、ε-δ論法を勉強する楽しさが分かる(初めて聞いたときチンプンカンプンだったわ)。
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