『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』by佐宗邦威

book

良書です。『直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』と同じ著者。

言っていることは、前の本とかなりかぶっている。でも、二冊ともおすすめ。著者は東大法学部を卒業後、P&Gに就職し、ソニーに転職し、イリノイ大学のデザインスクールに留学したという経歴。P&Gでマーケティングを学んだが、それはデータ分析を緻密に行う、完璧論理の世界だった、と。ビジネススクールでケーススタディーになるようなことをしているわけだから、当然だけれど、なんか違和感があったらしい。もちろん、論理は大事なんだけれど、僕の言葉で言うと「それだとみんな同じ正解にたどり着くじゃん、面白くないわ。」ということだろうか?

だって、Perfect Logical Thinkingをしたら、誰が分析思考しても、同じところにたどりつくじゃないですか。そのスピードだけを競っているのだろうか?それはそれで楽しいかもしれないかれど、味気ないんじゃないだろうか。あとで、みんな、そのゴール地点にやってくるんだもの。僕だけがたどり着いだ、前人未踏だ、誰もここには来れない、みたいな達成感はないかもしれない。

ロジカルシンキングできる人材が増えれば増えるほど、そうなっていきますよね。論理的な人が増えるのはいいことだとおもいますけれど、なんか、味気ない。

それで著者はデザイン思考の素晴らしさを知って本をかくに至った、と。デザイン思考は、ロジカル思考の対局にある思考方法で、表にまとめるとこんな感じ。

思考スタイル デザイン思考 ロジカルシンキング
関連スクール デザインスクール ビジネススクール
使う脳 右脳 左脳
アプローチ 直感(ビジョン、妄想) 論理(演繹)

この本を読んで、デザイン思考の特訓をしてみようと、自分で自分に、「数学の関数(グラフ)で、経営戦略を表現してください。」「ゴルフの球筋で、経営戦略を表現してください。」という問いを投げかけたら、とっても素晴らしい経営戦略を思いつきました。通常の思考(論理的に、地道に考える思考)だと、到底思いつかないような経営戦略を。

デザイン思考は、KJ法(ポストイッツをつかったブレスト)によく似ているんだって。こっちも原著を読んでみよう。(『発想法』by川喜田 二郎

ちなみに、ロジカルシンキングの本のはしりは、『企業参謀』だと思う。つい最近読んだ『戦略思考コンプリートブック』by河瀬誠も2003年の本だけれど、とってもいい本。

 

コメント

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