有名本らしい。『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』でも引用されていた。1986年に出版されているのだが、いまだに読む価値はある。
本書では、自分の頭で能動的に考える能力を、飛行機能力と呼んでいる。これに対して、知識を受動的に得る能力を、グライダー能力と呼んでいる。学校ではグライダー能力しか磨かれない。それだけでは足りない、引っ張られるままのグライダーではなく、自力で飛べる飛行機になれ、というのが著者の考え方。
では、飛行機になるにはどうしたらいいか?そのヒントが本書にはいっぱい詰まっている。たとえば、脳内を整理するための睡眠については、
平常の生活で、頭が忙しくてはいけない。人間は、自然に、頭の中を整理して、忙しくならないようになっている。
睡眠である。
(p.113)
と述べてみたり。これを読んで、「起床直後のゴールデンタイムを有効利用しよう」と思った。あるいは、忘却の大切さについては、
人間は、文字による記録を覚えて、忘れることがうまくなった。それだけ頭もよくなったはずである。
(p.121)
と述べてみたりしている。これを読んで、「メモ魔になることの大切さ」を感じた。きわめつけは、「時の試練」という章にある、
思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である。
(p.127)
という文。まだまだ自分の脳に全力を出させることは出来ていないと思った。
ちなみに、なぜ飛行機能力を高める必要があるのだろう?あとがきに「考える」という行為に対する著者のスタンスが書かれているのだが、これが好き。共感する。
考えるのは面倒なことと思っている人が多いが、見方によってはこれほど、ぜいたくな楽しみはないかもしれない。何かのために考える実利実用の思考のほかに、ただ考えることがおもしろくて考える純粋思考のあることを発見してよい時期になっているのではあるまいか。
(p217)
cf)
http://blog.keychi.net/2008/09/glider/
コメント
[…] そういえば、忘却が大事という話は、『思考の整理学』にも書いてあった。『アイデアのつくり方』でも、いったんインプットしまくった後、何も考えない時間を経てひらめきは降りてくる、と書いてあった。 投稿者 daniel1983投稿日: 2011年9月19日2018年2月4日カテゴリー 雑記(Scribbling) […]
[…] うーん・・・あまり好きになれなかった。思考の整理学に似ているのだけど、どっちか一冊だけ読むなら、思考の整理学をお薦めするなー。 […]
[…] 『思考の整理学』 […]