『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』byエンリコ・モレッティの読書感想

 

これはやばい。地方創世が叫ばれるこのご時世、僕がこの本から学んだことを列挙すると、

 

  1. トヨタの工場を誘致すると、近くにイオンが出来る。しかし逆は起こらない。だから、トヨタの工場を誘致することが、その街にとって、決定的に重要である。
  2. 地方創世という視点からいうと、いかにトヨタの工場を誘致するかが、決定的に重要である。イオンの誘致は、あとから自然とついてくる。
  3. アメリカでは、「トヨタの工場」ではなく、「グーグルやアップルやフェイスブックやアマゾンの本社」を誘致することが重要になってきている。これは、グローバル化の当然の帰結である。
  4. トヨタの工場にしろ、グーグルやアップルやフェイスブックやアマゾンの本社にしろ、グローバルにビジネスを展開する会社を誘致し、雇用を生むことが、その街にとって、決定的に重要である。
  5. トヨタ、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン。これらの会社を誘致できた街と、誘致できない街を比べると、地元のレストランのウェイターや美容師の給料は、前者の方が高い。これは統計的事実である。
  6. 「先進国」VS「新興国」の格差より「トヨタ、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンを誘致できた街」VS「誘致できなかった街」の格差の方が開いてきている。
  7. 「アメリカVS中国」ではなくって「シリコンバレーVSニューオーリンズ」の方が格差が大きい。
  8. 日本で考えると、「日本VSタイ」より、「東京VS地方都市」の方が、格差が大きい。
  9. 優秀な人材が集まる街では、優秀でない人材の給料もあがる。給料は、学歴よりも、どこに住むかで決まる。自分が住む街に、優秀な人材がどれだけいるかが、あなたの給料を決める。
  10. 優秀な人材が近くにいると、乗数効果、経済連鎖が大きい。
けっこう衝撃的だったけど、よく考えたら当たり前のこと。地方都市は、いかに優秀な人材をひきつけて、優れた業績の会社を誘致するかを考えるべき。

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