http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe091/main1.pdf
「日本経済は予想以上に悪いから、2009年1-3月期のGDPはきっとかなり悪いだろうし、それが発表される5月中旬は、多くの企業決算発表と重なって、きっと赤字赤字赤字って発表ばっかりだろうから、日本株安&円安が進むでしょう」、とか誰かが言っていた(そして私もそんな気がしていた)のに、株はどちらかと言えば上がっているし、為替はどちらかと言えば円高。なんででしょう・・・全然わかりませーん。あぁ無知な私。
GDP減については、いやはやびっくりですね。でも、実感が伴っているといえば伴っているが、伴っていないといえば伴っていない。なんというか。働き始めて一年目でいきなりリーマンショックから世界的金融危機から世界的同時不況になってしまったので、比較観がなくって、なんとも言えない。
上場企業の決算発表をいろいろ眺めていると、製造業はガタガタ、食品は悪くない、という印象。将来業績の見通しが急激悪化して、繰延税金資産を計上できなくなって資産を取り崩した、とかいうニュースがあって最初言っている意味分からんかったけど、あれって税効果会計の話か?(間違っていたら教えて、誰か会計士さん。)今回打撃を受けている製造業は特にダブルパンチ。今期赤字を出した上に、税効果会計を適用できず、繰延税金資産を取り崩すために費用を計上、その分、当然、自己資本は悪化。特別損失でさっさとウミを出して来期以上はV字回復・・・というシナリオを描いているところもあるんだろうけど、そううまくいくかどうか。
ところで・・・
2009 年1~3 月期の実質GDP(国内総生産・2000 暦年連鎖価格)の成長率は、▲4.0%(年率▲15.2%)となった。
とあって、ためしに年率計算自分でしてみたんだけど、何回やっても計算が合わないのね。年率計算の方法は、こことか参照。少し悩んで、ようやくわかったんだが、「▲4.0%」ってのが近似なわけね。原型列からデータとって計算したらピッタリあった。厳密には、-0.040386165で、これを使って計算すると、-0.152019233とかになるってこと。
コメント
今回のGDPに関しては市場も悪い数字を織り込み済みだったようで(市場の予想平均が年率換算16.1%減らしい)あまり影響はなかったみたい。ここ数日の円高についてはこれの影響かも。今は心理的にドルが売られやすい傾向かも。
三尊型があるとすると、なんで円高になるの?三尊型って、株式市場のお話だよね?
わからんことだらけや。。。
チャートに関しては、株式も為替も共通する部分が多いよ。いまドル/円のチャートをみると、典型的なヘッドアンドショルダーズの形になっているところ。
4/6の高値101円あたりを頂点にして、一度下降したあと、再度上昇したが101円には届かずに下落
↓
前回の高値を超えられなかったし、もうこれ以上の上昇は見込めそうもないな(と人々が思う)
↓
ドル売り
心理的な要素が大きいけど、歴史的に繰り返されてきたパターンということで重視されるらしい。
こういう心理的な要素で価格が決まるのって、経済学的にはどう解釈するんだろう。行動経済学ってやつ?
為替でも株でも同じことだが、まず予想は不可能かそれにかなり近いとするのが、効率的市場仮説の立場。これが本当かどうか、というのは経済学、ファイナンスでは一大研究テーマで、いまだに議論されている。
効率的市場仮説には、三つの種類があって、弱度、準強度、強度。弱度での効率的市場仮説が成立しているとは、過去データを使っても予想はできない、とか、そういうこと。大雑把に言えばね。
準強度は、一般に公開されている情報を使って予想不可能ってこと。強度は、インサイダーしても予想不可能、とか、そういうこと。
弱度に関しては成り立っているだろう、と思いたいのが経済学者という生き物。この立場では、チャート分析は否定されます。
準強度で成り立っているとすると、ファンダメンタル分析が否定される。
強度ですら成り立っていると、すべての分析が否定される。
で、三尊型というのは、チャート分析なので、多くの経済学者は、「そんなもんいかがわしい」ってきっと言うだろうね。
で、俺の立場だが、「弱度ですら、効率的市場仮説が成り立たないときもある」です。成り立つときもあるけど、その時その時によって、どの程度成り立っているのか、そのdegreeは違う、そのdegreeは時変する、とか、そういうこと。一応、俺のこの主張は、査読付き学術雑誌に掲載されたので、それなりに根拠はある主張と言えますね。。。
だから、三尊型というのは、必ずしもいかがわしいとも思わないな。
心理的要素は、行動経済学ってやつだが、あまり本流ではないからなー。経済学部や商学部のカリキュラムに、「行動経済学」が必修になってはいないし、そもそもそんな講義自体が少ない。(慶応には無かったと思う)
解説ありがとう。
「弱度ですら、効率的市場仮説が成り立たないときもある」ということは、事前に(もしくはリアルタイムに)そのタイミングを知ることができれば、チャート分析も有効ということね。(そんなことができるかどうかは分からないけど)
今回は一応、ドル円の三尊型を見て、少しドルを売ってみたんだけど、チャート分析のおかげなのか、ただ運が良かっただけなのか・・・
今回は結果的に、たまたま過去のチャートと同じように動いただけのこと、と思うようにしておきます。