Noda and Sugiyama (2010), now available online

論文が、Economics Bulletinのウェブサイトから、ダウンロード可能になった。

http://www.accessecon.com/Pubs/EB/2010/Volume30/EB-10-V30-I1-P48.pdf

acceptされてからは、迅速だな。それまでは長かったけど。改めてfinal draftを読んでみたけど、嗚呼、至福の時間。この達成感と自己満足感を味わえる機会はそうは無い。

それでいろいろと思ったことをメモしてみる。

  • Introductionがかなりいい。これはずいぶん矢野誠先生に赤入れされたおかげ。ありがとうございます。
  • 普通のGMM(2-step GMMとか、Optimal GMMとか呼ばれているやつ)は、ダメだな。特にsmall sampleだとダメすぎる。標本サイズ二桁くらいでGMMはやっちゃいけないのかなって気がする。もちろん、HansenがGMMを思いついたのは天才としかいいようがないのだけど、実際に応用するのは問題が多すぎる。とは言え、後述するCUEもHansenが提案している推定量だから、Hansenすごすぎ。
  • CUEがすごいな。ポストGMMとして流行る予感。実際、ポストGMMとしてもてはやされているGEL推定量の、特殊クラスとしてみんなが受け止め始めたら、どんどん使われるようになるかも。この辺、GEL専門家の大津先生(Yale)はどう思うかな。聞いたらいろいろ教えてくれそうだけど、俺の頭脳で理解できるだろうか。
  • IES(異時点間の代替弾力性)の推定値が、すごい妥当。CRRA効用関数を使ってるんで、IESの逆数がRRA(相対的危険回避度)になるわけだけで、IESとして捉えてもRRAとして捉えてもコインの表裏の話だけど、とにかく、その値がすごい妥当。
  • なんというか、手堅い論文だな。理論があって、こういう推定量つかって実証しました、そしたらこうなりましたら、ちゃんちゃん、っていう。なんというか、伝統的な経済学の論文の体裁って感じ。

週末だってのに今週は仕事だ。忙しい。眠い。

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