『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』の読書感想

『たった1%の賃下げが99%を幸せにする』と同じ著者。すごい本質を捉えていると思う。

この本、要するに、世代間での所得分配が公平にいかなくなっているのが、閉塞感の原因でしょと言っているだけ。もう少し詳しく書くと・・・

年功序列の世界では、若い頃は働きに比べて安い賃金しかもらえない。高齢になると働き以上の賃金をもらえるようになる。これが年功序列の性質。「高齢労働者は働きに見合った賃金じゃないのだからカットしてしまえ」というのは、「若い頃安月給でこき使われたのを今取り返しているだけ」という高齢労働者の思いをふみにじることになる。でも、経済成長が見込めない時代では、それカットしないと若い労働者を新規雇用する余裕が企業にはなくなる。(昔、右肩上がりの時代は、将来は問題なかった。どんどん雇ってもどんどん市場も拡大してたんだし。)これカットして高齢世代に泣いてもらうか、カットせずに若い世代に泣いてもらうか、というトレードオフの問題に直面することになる。

現実にはどっちが選べれているか?というと、皆さんご存知の通り、若い世代の方が泣いている。

なぜ若い世代が泣いているかというと、そういう政策が採られているから。なぜそういう政策が採られているかというと、政治家にとって最重要顧客は中高年世代だから。なぜ中高年世代が最重要顧客かというと、彼らの投票率の方が高いから。結局、投票率の低い若い世代の自業自得でしかないとも言えるのだが・・・。まぁ、いつも時代も若い世代の投票率は低いものだと思うので、なんともいえないな。どうしたらいいのかな。

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