厚生経済学の基本定理

これは某S先生のお言葉.

厚生経済学の基本定理は,現実の市場が万能だと言っているわけではない.

現実に興味がない理論家ばかりがいる慶應経済の代表格だと僕が思っていた先生が,現実の市場について言及したためびっくりしたわけです.

「厚生経済学の基本定理」とは,次の二つです.

厚生経済学の第一基本定理
:競争均衡はパレート最適である.

意味:企業が競争し個人が自分の満足度を追及した結果は,パレート基準で見たときに望ましい.

厚生経済学の第二基本定理:任意のパレート最適配分は,競争均衡として実現できる.

意味:パレート基準で見たときの望ましい状態の全ては,企業が競争し個人が自分の満足度を追及した結果として実現できる.

「パレート基準で見たときに望ましい」とは,「誰かの状態をより良くするためには,他の誰かの状態を悪化させないといけない」ような状態です.

厚生経済学の基本定理は,アダムスミスの「神の見えざる手」という考え方を,厳密に数学的に証明したものであり,経済学の主要な成果の一つです.

それにしても,この先生がこの言葉を述べたシーンはかなり鮮明に覚えています.それくらい衝撃でした.

コメント

タイトルとURLをコピーしました