これも良書。これも青年会議所の縁あって読んだ本なんですが、『ザ・ゴール コミック版』で有名なTOCの考え方を、子育てに応用するという、TOCfe(TOC for education)についての解説本。というわけで、本当に良書。
1)僕自身子育て真っ只中(36歳パパ、子供4人・7歳5歳3歳1歳)、2)社員教育こそが経営の根幹だと思っている、という2つの理由で、ハマってしまいました。本の帯にもある「3つの思考ツール」とは、
- cloud(ザ・ゴールでおなじみの雲)
- branch(if ~, then, でつなぎ、つながらないときは、なぜならば~をつかくわえる)
- ambitious target tree(高い目標達成のための障害を考える→それを乗り越える中間目標を抽出→中間目標を順番に並べる→下からハシゴを登るように中間目標を乗り越えるための行動を考えて実行していく)
の3つのことで、「1.cloud」は、TOCでよく出てくる、対立の雲。
「2.branch」は因果関係を明確にして、論理的思考を補佐してくれるツール。数学も歴史も、すべての教科の勉強で、役立つらしい。歴史の勉強のくだりで、暗記ではなく因果関係に注目すれば、勉強そのものがおもしろくなる、という部分は非常に共感した。しかも、教科書にはのっていない部分や、国語で主人公の気持ちを類推するときにも使えるという説明は、とってもエキサイティング。しかし、ブランチを書くのも手間なので、自分でやってる暇は、実際受験生なんか、ないと思うのだけれど。誰か、歴史の教科書全部、ブランチに紐解いてほしいわw
「3.ambitious target tree」は、大きな目標を、中間目標にブレイクして、しかもそれに優先順位をつけていこう、ということ。フルマラソン走るのに、まずは5km地点まで頑張ろう、みたいな発想。その中間目標を達成するために、具体的行動まで生徒・子供に書かせるので、絶対にできるんだって。
「目標はなに?」と聞くより「困っていることは何?」の方が、相手から引き出しやすい、というところがポイントかな。目標を明確にして即答できる人って、少ないんじゃなかろうか。そういう人は、そもそもコーチとかTOCFEとかいらなくって、勝手に成長して勝手に達成するんじゃないだろうか。目標意識が明確ではない人への問いかけかたは、だから、これ。
「困っていることは何?」
饒舌にみんな喋ってくれるはず。そこから、「じゃあ、どうしたらいいかな?」「理想はどんな状態かな?」と合いの手を入れると、捗る。「3.ambitious target tree」でも、中間目標を設定するときに、「何が障害かな?」を聞く。まずは、大きなダイタンな目標を言わせて、次に、それを聞く。
「何が障害かな?」
そこから、自然と中間目標が設定される。これは結構対策するための行動をはっきり言えるので、それを言わせる。具体的行動で言わせる。具体的行動なので、必ず達成できるんだって。
著者自身、本当は宇宙飛行士になりたかったけれど、それが叶わずいまの職業についているらしい。「サッカーでレアルマドリードにいく」、という大きな目標をもった小学生は、高校生のときには、「Jリーガーになりたい」となり、大学生では「スポーツウェアの会社に就職して、サッカーコーチも週末はやりたい」とかになっていくもの。大きな夢は、だんだん、現実的な夢になるもの。大人になるにつれて。
でも、大きな夢を持って、一歩一歩地道にがんばり、中間目標をクリアして、夢を叶えてほしい、と著者自身が思っていそうな感じがして、とっても好感が。機会があれば一度ぜひお会いしたいかな。
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