スマスマなどでも取り上げられていた、こんまり先生(近藤麻理恵さん)の著書。お家のお片付けの方法論についての本。
こんまり先生によると、お片付けのポイントは、次のたった2つのことだけらしい。
片づけ 法 に、 小 むずかしい 分類 は いり ませ ん。 片づけ で 必要 な 作業 は「 モノを捨てること」と「 収納 場所 を 決める こと」 の 二つ だけ。 大事 なのは「『 捨てる』 が 先」 の 順番 だけ。
近藤 麻理恵. 人生がときめく片づけの魔法 (p.45). サンマーク出版. Kindle 版.
これって、まさに「整理・整頓(2S)」のことだなと思って、どんどん読み進めてしまった。いい本。
整理とは、要らないものを捨てること。
整頓とは、定位置と決めて、探す時間をゼロにすること。
製造業だと、2S、3S、5S、6Sと言ったりする。
6Sの中身は、これ。
整理とは、要らないものを捨てること。
整頓とは、定位置を決めて、探す時間をゼロにすること。
清掃とは、私服で座れるくらい隅々までキレイにすること。
清潔とは、身だしなみを整えること。
躾(しつけ)とは、決めたルールを守る習慣をつけること。
作法とは、人として正しく振る舞うこと。
2Sとかは、世界中で通用するフレーズになっているけれど、それがどうすごいかというと
1)日本の製造業がいかに世界のお手本か、ということ
2)日本人がいかに整理整頓(等)が得意か、
ということだと思う。
2Sに加えて、「2S5頓」というフレーズもある。
2S5頓の中身は・・・
2S=整頓、整頓
+
5頓=定位置、定量、定方向、表示(モノ)、標識(場所)
話をもとに戻すと、こんまり先生も、お片付けのポイントは「整理整頓」と言っているわけで、工場のお片付けだろうと、お家のお片付けだろうと、同じなんだなと思ってしまった。
1.整理のポイント
本のタイトルにもなっているところだけれど、モノを捨てるかどうかは、こんまり先生によると、「ときめくかどうか」で判断すればいいとのこと。面白いわ、今度会社で言ってみよう。ときめかないものは全部捨てろ、と。逆説的だけれど、「整理力がなくって、なかなか捨てられない人」がいるとしたら、「ときめく力がない」と言えそう。
2.整頓のポイント
これは、以下の引用にある通り。
私は収納というと、いかに空間を合理的に使って多くのモノを収めていくかの頭脳勝負だと考える
製造現場だと、立体的に空間を使おう、とかに通じるものがある。板金部品だったら、立てかけろ、とか。
立てられるモノはとにかく立てて収納する
と思ったら、ドンピシャのこと言われた!これは、衣服とかのお片付けの文脈で出てきたんだけど、笑ってしまったわ。
とにかく、「まずは捨てる」を終わらせる。それができれば、モノの定位置を決めるのは簡単
まずは、「ときめき力」をアップさせて、捨てまくるべし。
あなたが持っている収納、今あなたの部屋にもともとついている収納、これは 完璧 だと思ってください。今まで収納が少なくって……という悩みや不満は数えきれないほど聞いてきましたが、本当の意味で収納が少ない家という結論に至った家は一つもありませんでした。ただ、いらないモノを持っているだけ
これはお家でも製造現場でも言える。すぐ「場所がない」と思ってしまうけれど、僕の経験上、100%、冷蔵庫の法則にハマっているだけ。
なぜすべてのモノの定位置を決めるべきなのかというと、一つでも住所不定のモノがあると、散らかる可能性が一気に高くなるから
その通り。迷子ちゃんが出てくると、ざわつくんだよな。
そして、これだけ持っているにもかかわらず、いつも「足りない」「ストックが切れたらどうしよう」という不安を感じている
これは、製造業だと「在庫を持つな」というJIT神話にも通じる。こんまり先生によると、「すぐ手に入るのだから、必要になったら、その時買ったらいいじゃない」ということだった。
空間は過去の自分ではなく、未来の自分のために使うべきだと、私は信じている
まったくとの通り。お家にある過去の思い出(製造現場の在庫とか保管)のためではなく、未来の自分のため(未来のキャッシュフロー創出のため)に場所は使うべき。
この段ボール分のスペースが、その人が生きているときに空間として存在していたのなら、どれだけ一日一日が豊かになっていただろう
まったくその通り。あの材料在庫、はやすぎた先行投入の結果積み上がった仕掛の山が、キャッシュフローに直結するビジネスのための空間として利用できていたら、どれだけ業績がよかったことだろう。
・電化製品の外箱 「売るときに箱があったほうが高く売れるから」という考えは、はっきりいって損です。箱をとっておいてある大事なスペースをたんなる物置で使ってしまうほうが、家賃として考えれば高くつきます
この考え方なんか、TOC(Theory Of Constraints、制約に関する全体最適理論)と合い通じるものがある。
誰でも、自分のコーナーがあるというのはうれしいもの。「ここは自分だけの場所」と意識できると、きちんと管理したくなるもの
これなんかを読むと、エリアごとの管理責任者を決めることの重要性を痛感する。
お家も、会社も、整理整頓が行き届いていないと、「うるさい感じ」がする。必要なモノを、必要な量だけ、必要なタイミングで持つ、というのが、公私ともに幸福になるカギではなかろうか。僕は、適度にしか物欲がないのだけれど、たぶん、ムダなものを持って、場所を圧迫して「うるさい感じがするお家」にしたくないからだと思う。これは、工場のマネジメントでも同じなんだと思う。
「足ることを知るから」ではないでしょうか。 片づけをしたあと、多くの人が「物欲が減った」といいます。それまではいくら服を持っていても「今日着る服がない!」と思っていたように、いつも不足感を感じていたけれど、片づけをしてときめくモノだけが残って
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[…] こんまり先生の『人生がときめく片づけの魔法』と合わせて、この二冊はうちの社員のmust read書籍にしたいくらい。 […]