This book is amazing. 著者の研究のやり方について、ちょいちょい疑問を感じることがあったが(注)、概ね著者の主張は説得的で同意できる。自分が運の悪い人だと感じている人に、激お奨め。 ちなみに、邦訳版もある→運のいい人、悪い人―運を鍛える四つの法則
本書では、「Lucky people」「Unlucky people」「どちらでもないpeople」の三つのグループについて、どのような差があるのかを研究している。その結果、
Luck is not a magical ability or a gift from the gods. Instead, it is a state of mind—a way of thinking and behaving.
(pp.165)Scientific research has revealed that the real explanation of luck lies in four basic phycological principles.
(pp.192)
ということを明らかにしている。ではfour basic phycological principlesとは何かというと、以下。僕なりの解説も付与する。
- Maximize your chance oppotunities:「luckは人が運んできてくれるものだから、人との接触を増やしなさい」ということ。
- Listen to your lucky hunches:「直感には、いまだに解明されていないすごい力があるから、直観力を磨きなさい」ということ。
- Expect good fortune:良いことを期待すると「ウソから出た真」になるよ、ということ。
- Turn bad luck into good:運の悪いことに直面したら、そこから得られる教訓を引き出して今後に生かしなさい、ということ。
細かいところでツッコミを入れたくなったが、大きな議論の道筋は説得的。特に「3.Expect good fortune」が「ウソから出た真」になることの説明は、非常に論理的で好き。
運がよくなるためのexcerciseも紹介されている。運が悪い人はお試しあれ!本書の内容が説得的だと感じたならば、excerciseのやる気も高まるはず。
(注)気に入らなかった点は、大きく二つある。一つは、”Luck”という言葉の定義を明確に与えていないこと。これはいまだにむかつく。定義も満足に出来ないのに、Scienceといっていいの?二つに、統計的有意かどうかを本文で報告していなかったこと(でも、巻末のNotesにp-valueが報告されていることに、読み終わってから気づいた)。
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