『国語算数理科しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」』の読書感想

本書は、dankogaiが絶賛していたため随分前に購入。やっと読了。これもすごい本。最近、いい本ばっかりに出会えている幸運に感謝。

小学5年生の娘が「お父さんの仕事って何?」と聞いてきたところからお話はスタート。いつかこんな質問されるんだろうな、と妄想しつつ読み進める(まだ子供はいないよ、念のため)。

p23でお父さんが娘に言った以下の一言がすごい。

「仕事とは、「約束を守ること」だと思っているんだ。」

当たり前なのだが、すごい定義だと思う。さらにp25で、

仕事における「約束」は、「会計」で表現される

と続け、その後のお父さんと娘のやりとりを読むだけで、会計の仕組み(=複式簿記)が理解できるように書かれている。「会計」で表現される「約束」とは、要するに、株主に対する「ちゃんと利益を出しますよ」という約束と、銀行に対する「借りたお金はちゃんと利子をつけて返しますよ」という約束の二つのことでしかないわけだが、PLとBSの概念がきっちりと説明されており、分かりやすい。というわけで、会計に弱いビジネスマン向けの会計入門本としても本書は十分活用可能。

本書では、娘がケーキ屋さんになったと想定してお話を盛り上げるのだが、p118にあるお父さんの以下の言葉も印象に残る。

「だから、ケーキ屋さんと仕事をする人々は、約束した日に約束した量の、約束した品質の商品を納め続けなければならないんだ。ケーキを取り巻く多くの人々が、ひとつひとつの約束を守ることによって、はじめてケーキができるんだよね。この、日常的な約束を守り続けることが仕事のスタートで、それができることによって、はじめて、会計の約束も守ることができるんだ。この、日常的な約束が守れなければ会計の約束は絶対に守れないんだよ。」

ここで「ケーキ」をあなたの会社が生産している財(製品)に置き換えてみれば、この文章は、公務員を除くすべての職業人に訴えかける文章となる。

さ、連休明けの明日からもきっちり約束を守ろっと。

コメント

  1. […] 『国語算数理科しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」』  by 岩谷 […]

  2. […] 『国語算数理科しごと』と同じ著者。あれは小学生向きだったが、これは中高生くらい向きか?「とりあえず大雑把でいいから決算書読めるようになりたい、でも簿記はやだよ」というわがままを叶えてくれるスゴイ本なので、会計チンプンカンプンのビジネスマンにもお薦め。 […]

  3. […] 『国語算数理科しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」』 『決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法』 『道具としてのアカウンティング』 やったことはこれだけ。でも今年は財務面での知識がだいぶ強化された。簿記2級は目指さないにしても、もうちょいレベル高めの本を読むか。 […]

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