アカデミックな世界のスピード感の無さは異常

いつになったら僕の論文はジャーナルに載るんだ。遅すぎる。いい加減、腹が立ってきた。

Market fficicencyの論文は、2007年12月に初投稿し、査読結果が返ってきたのが2008年11月。結果はrevise要求だったので、reviseして2008年12月に再投稿。また1年くらい待たされるんだろうか?

C-CAPMの論文は、2008年の夏くらいに初投稿して、こっちは割りとはやく査読結果がきて、やっぱりrevise要求がきたので再投稿したのが2008年12月。こっちはまだ早そうだけど、それでも数ヶ月は待たされるんだろうか?(ちなみに、こっちは、共同研究者のNodaさんにおんぶにだっこ状態です、thanks….)

これらの論文がジャーナルに載って他の経済学者の目に触れる頃には、これら論文で使っているデータは相当古いものになっているわけ。スピード感、無さ過ぎ。こんなんでは、経済学者は現実経済には一生追いつけない。ジャーナルに載っている最新の論文は、数年前のデータまでしか使っていないんだから。社会人になってから、大学院にいた頃より、はるかに現実経済に目を向けるようになった。

大学院時代にやっていた論文を書くって作業は、たっぷり時間をつかって100点狙いにいく感じだったけど、社会人になって仕事をするってのは、短時間で80点の解答を作成する感じ。100点狙っていたら、日々の変動から置いていかれてしまう。基本的なmindを根本的に変えないと、いかんなー、とか思う。どうも、時間をたっぷり使って100点狙いにいく態度が染み付いている模様。

米国のデフレ懸念

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090117AT2M1604016012009.html

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090114/182656/

米国の消費者物価指数(consumer price index, CPI)の2008年12月の値は、210.228という発表が。あぁ、低いね。前年同月比で、約0.1%しか物価上昇しなかった。いよいよデフレに突入する日が近い。今月のCPIは来月中旬に発表されるが、多分、マイナスに転じるだろう。

じゃぁ、米デフレが為替と貿易及ぼす影響は?もし日本が今後物価上昇率が0以上だと仮定しよう。さらに、実質為替レートも一定と仮定すれば、米デフレは円安圧力をもたらす。ちなみに、「実質為替レートが一定」≒「日米の実態経済の力関係が一定」という感じなのだが、この仮定の妥当性は自信がない。

で、仮に、実質為替レートが一定ではなかったとしよう。米デフレにも関わらず、円安圧力に負けない、なんらかの力が働いて、名目為替レートが、さほど変化しなかったとしよう。とすると、これは実質為替レートでみたときには、円高を意味するので、輸出産業はつらくなる。日本は貿易黒字国なので、日本の景気には逆風となる。

ちなみに、来週は20日にオバマ大統領就任のご祝儀相場で、若干円安になるのかな。で、あとは日々のニュースで為替が一喜一憂する日々が続きそう。

まぁいろいろ書いたけど、あんまり自信はないな。不確実な仮定が多すぎる。「AならばB」が正しい論理としても、「Aである」が言えなければ、何も言えないから。

cf)
http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/01/10/risks-of-deflation-wonkish-but-important/

http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/01/16/the-tips-spread/

http://gregmankiw.blogspot.com/2008/12/deflation-alert.html

世界一周旅行の日記(ヨーロッパ編)

2008.5.16(fri), 17(sat)

ペルーのとあるレストランで、Zoujirushi製のポッドを発見。他にも、Mitsubishi fusou, Panasonic, Sonyなども南米で見た。MADE IN JAPAN。日本のもの作り、すごい。

いよいよ南米ペルーをおさらば。大西洋を渡り、ヨーロッパはスペインへ!バルセロナが目的地なので、バルセロナFCのロナウジーニョのユニフォームを着て南米を出発♪ところが、飛行機は、マドリード経由だった!マドリードの空港で、ロナウジーニョのユニフォームを着てウロウロするハメに。怖いので、上着で気持ち、隠す。バルセロナで妻の友達に「おまえ、そのユニフォームでマドリード着いたのか」と驚かれる。なんか、KYな日本人って雰囲気になったけど、いや、だから、知らなかったんだって。

ヨーロッパに到着したとき、「あぁ、やっぱり発展途上国って安全な感じがするなー」って思った。スペインは、ヨーロッパ先進国の中では比較的、治安が悪い、とか地球の歩き方には書いてあったけど、南米に比べたら、ぜんぜん。

2008.5.18(sun)

バルセロナ市内を観光。ガウディー建築などを。サグラダファミリアとか。すごい建築物。形がわけわからない。アーティストとして生きていきたい人は、バルサを一回訪れるといいと思う。

市場の予想するのは困難、しかし変動を説明するのは簡単

金融商品価格は、情報に反応する。情報は予測できないので、金融商品価格も予測できない。しかし、過去にどんな情報があったのかは、知ることが出来る。だから、過去の変動は説明することができる。

効率的市場仮説によれば、「利用可能な情報は直ちに、すべて、価格に反映される」。この仮説が真ならば、将来予測に関連する情報も、価格に反映されているはず。つまり、将来の価格は、予測不可能な情報のみに反応するはず。「どうやら、日銀は利下げしそうだ」という将来予測に関する情報がマーケットに流れていれば、この情報は価格に反映されているはず。「日銀の利下げにびっくりして、マーケットがすごく反応した」ということは、「日銀の利下げ」は予期せざる情報だった、ということ(日銀の金融政策運用能力が疑問視されていることの証になってしまう)。

Robert Hall(1978)の「消費のランダムウォーク仮説」のロジックと、どこか似ている。

債券

債券買うときって、まったく同じ条件でも、証券会社によって価格がけっこう違うんですね。(発行体も、残存期間もまったく同じなのに、ということ)。某債券価格を比較してみたら、1円以上違った。額がでかいんで、この違いはけっこう大きい。

あと、クーポンを日割り計算するときって、365じゃなくって、360で割って計算するんですね。これも知らなかった。ためしに365で割ってみたら数字が合わなくって知ることとなりました。

現実経済でプレーヤーとして活動し、たまに金融実務家と話もしたりしていると、毎日毎日、知らないことばかりで刺激的っす。

ノイズと情報の区別

世の中、いろいろな情報があって中にはガセネタだってまぎれている。投資するときに収集する情報だって、すべてが正しいとは限らない。というか、信頼性が無い情報ばっかりかもしれない。

今日聞いた話では、某金融機関は、今年終わりの為替レートは110円くらいに戻るだろう、という見方を示していたらしい。昨日聞いた別の某金融機関の投資戦略レポートでは、イメージとして、今年後半は円高にむかうでしょう、という見方を示していた。どっちだよ。うーん、どっちでもいいや、どうせ効率的市場仮説が真ならば、為替の予測は不可能なんだし。いやいや、でも大手金融機関が時間と労力を頭脳を結集して作った予想なんだから、それなりに信頼あるっしょ、という気もする。どっちだよ。

このブログで「今年は97~98円くらい周辺をうろうろするでしょ」と言ってみたところで、この情報だって正しいかどうか分からない。もし当たったときは、大声で「俺、為替の予想あたったよ」と自慢する。他方、外れたら、ひっそりとしていて、目立たないようにする。

別に僕に限らず、世の中のたくさんの予想屋も僕と同じ態度をとる。結果、為替の予想は不可能ではないような印象を持つ。(当たっている人ばっかりにスポットライトがあたるというバイアスのせいで)。それで、自分にも出来るのでは?と思う人がいる。その人が為替で一儲けしようと、マーケットに参加したとしよう。で、負けちゃうわけ。「やっぱり、市場を打ち負かすのは無理」と思って、もうマーケットに復帰してこない。すると、マーケットでは「一生懸命勝とうとする参加者」が減る。結果、荒稼ぎする余地が少し生まれる。その余地を見逃さないチャッカリ者は絶対にいる。すぐに「その余地」は消滅する。こうして、市場は効率的な状態に復帰する。すると、「やっぱ、為替で儲けるの、無理っす」と感じる人が増え、一生懸命情報を分析する参加者が減る。結果、一生懸命情報を分析した人には、荒稼ぎする余地が少し生まれる。その余地を見逃さないチャッカリ(以下、略、というか無限ループ突入)。

これは、市場の効率性は、高いときもあれば低いときもあるのだ、ということの雑談レベルの、一つの説明。効率的市場仮説は、みんなが信じれば成立しなくなり、みんなが信じないと成立する、という不思議な仮説なのです。

世の中にあるどの情報が正しく、どれが間違ったノイズなのか?区別は困難。市場の効率性の度合いが変化する背後には、情報とノイズの流通量も変化しているんじゃないか。と、いい加減なことを言ってみる。

しっかし、いま資産運用するのはしんどいっすね・・・。

やっぱり過剰に円高だと思う

今の1ドル90円は、やっぱりちょっと円高過ぎると思う。もうちょっとの円安が、あるべき水準だと思う。で、物価水準やら金利差とかを考慮に入れて、自分なりに適正レートを計算してみたら、97~98円くらいという結果になった。

榊原英資氏は、2008年03月27日付けのこの記事で、「1ドル90円でも円高ではない」、と述べている。また先週の京都で行われた新春経済講演会で、伊藤元重先生も「今の1ドル90円が円高なのではなく、いままでが超円安だった。また円安水準に戻るだろう、という前提で経営をしてはいけない」と述べていた。

僕も、こんなことを書いた。一言で言えば、「2008年中には再び1ドル100円を切り、3年以内に90円くらいまでいくんじゃないか」ってことだった。別になんてことはない、PPP理論に基づいてみると、円は安すぎるなー、って感じただけで、それを適当に書きなぐっただけ。当時はアメリカは順調に物価があがっていたし、円高トレンドはしばらく続くんだろうな、って思っていた。

「1ドル90円でも円高ではない」という主張の基本的な考え方は、こう。10年前と今を比べると、日本では物価水準はほぼ変わっていない。他方、アメリカでは物価は30%上昇した。10年前は、だいたい1ドル120円だった。120/1.3=90円である。だから、1ドル90円は、別に円高ではない。むしろ、いままでの数年間の100~120円くらいのレートが、超円安の円安バブルだったのだ。その円安バブルを生んだのは、日本の超低金利による円キャリートレードである。いまの90円は、円安バブルがはじけただけってこと。

・・・さて、これ、一見もっともらしいし、榊原英資&伊藤元重というビッグネームのお墨付きでもある。でも、僕なりに考えてみた結果(そのロジックは省略)、冒頭に述べたように、やっぱり今の90円は円高だと感じる。97~98円あたりが、今の時点での適正レートだと思う。

いま、日米金利差は解消されたので、中期的には円高トレンドも円安トレンドもない。さらにアメリカでもデフレリスクにされされそうなので(Krugman, Mankiw)、長期的にも円高トレンドも、円安トレンドは無いはず、というのが、現時点での合理的予想。というわけで、今年は現在の90円から、97~98円くらいに向かって、ちょっと円安にふれるんじゃないかな、というのが今のところの僕のビュー。

短期的に到来した日米金利差解消に伴って、円安圧力が円高圧力にあっという間に変わった際、物価水準でみた場合の「あるべきレート」である円高方向に為替が動いたはいいが、「あるべきレート」である97~98円を飛び越えて、90円までいっちゃった、というのが僕の考え。なぜ非合理なレートまでいってしまったかというと、円高圧力が過剰に強かったため&米国経済先行き懸念で投資家が異常にリスク回避的になったため、というのが僕なりの説明。

非合理レートは、適正レートの10%くらいしか乖離しないとすれば、97~98円からしたら、89円くらいまではいく可能性がある。でも、そのうちもうちょっと円安の方に戻るんじゃないかな。もちろん、いまの世の中、不確実性がかなりでかいので、何があってどうなるかわからんけど。

ちなみに、95年4月に80円を割り込んだことがあったが、あれと同じくらいの異常なことがおきれば、僕の計算では、1ドル60円くらいまでいく可能性はある。(not 50円。∵95から98年にかけての日米の物価水準も考慮に入れないといけないから)

米国債利回り

10-YEAR TREASURY NOTEとか見てみると、

http://finance.yahoo.com/echarts?s=^TNX#chart3:symbol=^tnx;range=1m;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;ohlcvalues=0;logscale=on;source=undefined

ありゃ、新年あけて利回りあがっとるがな。オバマ政権への期待の表れか。それとも経済主体も、危機に慣れてきたのか。慣れってこわいっすね。

historical data は以下で取れる。(テキストデータ)

http://www.federalreserve.gov/releases/h15/data.htm

http://www.ustreas.gov/offices/domestic-finance/debt-management/interest-rate/yield.shtml

cf)一口に米国債(Treasury securities)といっても、maturityの違いで名称が違う。いろいろ種類がありすぎて金融商品、おぼえられなーい。下手に素人が手を出すとふっとばされちゃいますね。

Treasury bill   :1month, 3months, 6months, 1 year
Treasury note :2, 3, 5 or 10 years
Treasury bond : from 10 years to 30 years

世界一周旅行の日記(南米ペルー編その2)

008.5.10(Sat)

リマからクスコへ移動。距離、約1000km。バスだと20時間とかかかるらしい。さすがに無理っす、一応ハネムーンだし、飛行機で移動。アンデス山脈を見下ろす機会はなかなかないっしょ。クスコは標高3600mくらいのところにあるので、高山病の薬を飲んでおく。まさか後々、自分たちが
高山病になるなんてこの時は思ってもみないのであった・・・。午後、観光ツアーに参加。英語が全然流通していないこの大陸で、久しぶりに英語を聞けて安心♪スペイン語&英語のバイリンガルツアーだったけどね。アルパカらしき動物をつれた原住民の方々に会う。まるでウルルン。地球一周してる感じがしてくる♪でも写真とっただけでチップ要求されちまった。

2008.5.11(Sun)

マチュピチュへ移動。クスコから100kmくらいの距離なのに、列車で4時間かかる。山中の道だからしょうがないか。あまり快適ではないが、わざわざ南米にきたお目当てはこれなので、我慢。列車のスタッフはとてもpolite。well trainedだなぁ、と感心。世界的観光名所だし、ちゃんとした人が配置されている模様。(あとで分かることだが、エジプトはひどい!!!思わず本気で切れて怒鳴り散らしてしまった。)マチュピチュ村に到着。マチュピチュ村は標高2400mくらい。ここからさらにバスで約30分、300mくらい上るとそこがマチュピチュ遺跡。ビユーティフォー。完全にラピュタ。絶景。感動したわ。

 

 

 

夜、高山病におかされる。妻ぐったり。クスコのガイドさんが「マチュピチュは標高2400mくらいしかないから、高山病の薬なんかいらないよ」と言ったので、真に受けて薬飲まずにいったらひどい目にあった。標高3600mのクスコの住人の意見は無視するべきだった・・・。特に妻は二三日ぐったりしっぱなしだった。ハネムーン中で一番のトラブルはこのときの高山病だったかもしれない。

2008.5.12(mon)

高山病のせいで一日中ホテルで寝ていた。が、せっかくここまできたんだから、と根性でお土産を買おうとする妻。10分くらいしたら、フラフラしながら、なんか、アクセサリーを買ってきた。まさに執念。寝てればいいのに。夕方の列車でクスコに戻る。

2008.5.13(Tue)

クスコからリマに戻る。飛行機が、1時間くらいdelayed。でもみんな文句も言わず待ってる。日本だったらちょっと遅れたら大騒ぎなのにね。けっこうここまでハードスケジュールだったので、この日は一日、お休みの日に。近くのMetroってスーパーに買い物にでかけたくらい。

2008.5.14(wed)

この日もゆっくり一日をすごす。体調は、まだちょっと悪いし。日秘文化センターに遊びにいく。ペルーと日本の関係の歴史が書かれていた。日系ペルー人について勉強する。

2008.5.15(thu)

早朝3時くらいに起きて、ナスカの地上絵へ出発!がなんと、アクシデント発生。パンアメリカハイウェイで事故があったらしく、大渋滞。ってかなんで一車線しかないねん。そこ、せめて二車線ほしいとこでしょ、パンアメリカハイウェイなんだからさ。1時間くらい粘ってみるも、進む気配なし。早めの判断で、ナスカはあきらめることに。Uターンしてみると、すっげー渋滞。パンアメリカハイウェイって、砂漠のど真ん中を突っ切る道路なんだけど、砂漠のど真ん中で大渋滞。なんか、暴動とか起きそうな感じ。なぜこんなところでヒッチハイクしようとしている人がいるのですか?南米、わけわからなすぎてテンションあがる。ナスカよりある意味貴重な経験できたし、けっこう楽しんだ。

結局、リマに戻ってきて日秘文化センターでランチ。お味噌汁が飲みたいがために。

2008.5.16(fri)

コインランドリーへいく。21ソルもかかった。だいたい、800円くらい。こっちの物価水準を考えたら、相当高い。ちなみに、たぶんこれはぼられていない。昼は、ペルー料理。シーフード。美味。夕方、空港へ。いよいよ南米とおさらば。いざ、スペインへむけて大西洋を横断!

・・・続く。

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いま思うと、僕達が帰国してから、インドでテロが起こったり、イスラエルがガザに侵攻して中東情勢が不安定になったり、NY発の金融恐慌になったり、いま地球一周していたら、相当なKYカップルだったかもしれん。昨年の比較的平和な時期に地球一周して、無事かえってこれて良かった。この経験は、いままの数あるpreciousな経験の中で、一番すばらしい経験だった。論文書くのも楽しいし、スキーも楽しいし、読書も楽しいけど、地球一周が断トツにすごかった。数十年後にリタイアしたら、もう一周いきたい。今度は全部ファーストとかで(笑)それに向けてがんばろー。