G7,為替,株,金利

ドイツで開催されていたG7.G7とは世界主要七カ国の財務大臣とか中央銀行総裁とかが集まって,世界経済の現状と問題点を確認して対策について議論し,声明を発表する場所で,市場に対して影響力がある.だって,世界のえらい人たちが一同にあつまって,みんなそろって「最近の円安は問題だ」とかいう声明を出したら,投資家としては,「そうか,これからえらい人たちは円高になるように努力していくのかな」とか考えるので,マーケットに影響を与える.(ちなみに,Krugmanはこの本で,G7が共同して世界経済の問題に取り組んだってたかが知れている,とか言っていた.)

円キャリー取引に懸念の声
【エッセン=小野田徹史】先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、声明で、日本経済の回復が「市場参加者のリスク評価に織り込まれていくと確信する」と明記した。その後のG7関係者の発言から、声明が指摘した「リスク」とは、円安の要因になっている「円キャリー取引」の拡大を強く意識したものであることが浮き彫りになってきた。
G7終了後、国際通貨基金(IMF)のロドリゴ・ラト専務理事は記者団に対し、「投資家は円キャリー取引から生まれる利益だけでなくリスクにも気づくべきだ」と発言した。ドイツのペール・シュタインブリュック財務相も、G7後の議長国記者会見で、円を名指しこそしなかったものの、「キャリー取引の問題を含め、市場はリスクを認識してほしい」と強調した。
G7関係者が相次いで言及した「円キャリー取引」は、低金利の円で調達した資金を金利が高い外国通貨と交換して資産運用するもので、円を他国通貨と交換する際、大きな円売り圧力が働く。この取引が拡大している背景には、日本の超低金利政策があり、独財務相らの指摘は、日本の金融政策に疑問符を突きつけたものとも言える。
日本銀行は20、21日に金融政策決定会合を開き、追加利上げの是非について「詰めた議論を行う」(福井俊彦総裁)方針だ。超低金利政策に対するG7諸国の見方を金融政策の運営にどう反映させるか、日銀は重い課題を背負った。

G7 警戒感は共有 具体策では各国に距離@読売新聞
で,現状は円安なんだけど,もしここで「円安って問題だよ」とG7が宣言したら,株安になると考えられていたが,実際にはG7は「円安って議論すべきだけど,大問題ではないよ」程度にとどまったので,株安にはならず,むしろ株高になる一因となった.それで,僕は日経平均は下落すると予想したが,見事に外れたわけだ(ここ参照).
ここら辺の説明は,以下が分かりやすいかな.

ただ、独エッセンで9―10日に開いた7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が共同声明で円安に直接言及せず、円安是正を材料とした日銀の追加利上げ観測が後退したことが下値不安を和らげている。

東証寄り付き・反落後に一時上げる G7円安言及せずが下支え@日経新聞
ここで,利上げ観測があれば,株安になる,という経路もある点に注意.なぜならば,消費者は(消費も含めた)ポートフォーリオの中身を組み換えて,債券保有率を高めるから,とかいうのがよく言われる理由.
為替レートと株式市場(と金利)の関係について,自分の頭を整理したい.よく為替レートと株式市場の関係について新聞記事などで読むことがあるが,両者の関係について,自分の頭が混乱している.以下の社説にあるように,金利についても考えなければならない.

G7会議では、最近のユーロ高で輸出競争力の低下に苦しむ欧州勢が、特に円安に懸念を表明した。米欧に比べ低い日本の金利で円を借りて金利の高い他国の金融資産などに投資する円借り(円キャリー)取引も、円安を助長していると問題視する声も出た。尾身幸次財務相も会議後の記者会見で「一方的に偏って行動することのリスクを認識することが望ましい」と述べ、円安の背景にある投機的な取引をけん制した。

社説1 市場の潜在リスクに警鐘鳴らしたG7(2/12)@日経新聞
円キャリー取引とかいう言葉が出てきていて,話に為替レート,株式市場だけでなく金利も登場している.
つまり,論理はこんな感じ.
日本は低金利
→国内投資家は円キャリー取引
→円安
→日本株高
という現状で,G7で「円安なんとかしろ」となったら,なんとかするために日銀がさっさと金利引き上げをするなどして円高に向かわせることで,株安が来るのでは,という発想.(くどいが,利上げ観測そのものも株安を誘発する.)
ここまで暗黙の了解として,円安→株高,円高→株安という論理を使っている.実際,2005年から2006年までの2年間,為替レートと日経平均の月次(月中平均)をとってグラフを描けば,こんな感じになる.
exchange_nikkei225.bmp
まぁ,確かに円安→株高,円高→株安が成立しているっぽいね.ここ2年ほど,確かに日本円は円安の方向に向かっていることも確認できる(上図).だけど,1971年からのデータをグラフに描いてみると,為替市場と株式市場にそんな関連性があるとは思えない(下図).
exchange_nikkei225_1971.bmp
というわけで,為替レートと株式市場の関係について,どういう関係にあるか,実ははっきりしたことが僕は分からない.おそらく実証的に知るしかないような気がする.誰か,ここらへんの関係を明快に説明できる人いませんか?(為替市場と株式市場だと,為替のほうが売買規模が圧倒的に大きい,とか,貿易を通じた企業業績への影響,などなど,いろいろな要因があって,計量的に知るしかない気がするんですが・・・直感的には,企業は為替リスクを近年になってヘッジする経営努力をするようになってきているので,二つ目の要因・経路は,近年,相対的に小さくなっている気がする)
話は変わるが,

こうした資金は円相場と新興市場国の二つのリスクを知らず知らずのうちにとっている可能性がある。日本国内の超低金利、円安が永続するわけではないし、新興市場国の成長が一本調子で続くとは限らない。

社説1 市場の潜在リスクに警鐘鳴らしたG7(2/12)@日経新聞
僕は,円キャリー取引をするような人間ならば,二つのリスクがあることをちゃんと理解していると思うのだが・・・素人は円キャリー取引にうかつに手を出すな,というメッセージなのかな?
長々とエントリーを書いてきたが,
(1)ここ2年ほどの円安の原因を知りたい(内外金利差だけじゃないんでしょ?)
(2)為替市場と株式市場の関連性を知りたい
(3)G7が市場へ与える影響の大きさを知りたい(去年のG7は,世界同時株安と関連していたのか?)
(4)いったいいつ利上げするんだ日銀
(5)バーナンキはどれくらい利上げする気なんだ(インフレとどう戦うんだ)
という感じの疑問を,自分の脳から抽出して,おやすみなさい.

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