ついに出ました,ベイズ統計学の入門書!
文章が多め,数式を少なめにして,非常に分かりやすく書かれています.序文に,中妻先生のベイズ統計学への思い入れが書いてあって,そこがおもしろいです.「古典的統計学では,データが同じ状況下で繰り返し得られるという前提にたった分析を行います.しかし,例えばバブル崩壊といった,一回限りの経済現象を分析するには,古典的統計学では無理があるのではないでしょうか?」といった趣旨の主張が書かれており,ベイズ統計学を信奉するにいたった,中妻先生の気持ちが汲み取れます.
計量経済学をやってる方は,少しでいいのでベイズもかじってみてはどうでしょう?「どうせ古典的統計学は無理があるから,ベイズを使っちゃおう」というベイジアンは,あまりに単純すぎると僕は思いますが,古典的統計学について深く考えるきっかけをあたえてくれると思います.
ベイズ統計学と古典的統計学の違いについては,また違うエントリーで僕の考えをまとめてみたいと思います.その際,計量経済学ではベイズは忌み嫌われるのに,ゲーム理論では受け入れられている理由にも言及してみたいと思います.
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