”The Age of Diminished Expectations”By Paul Krugmanの読書感想

The Age of Diminished Expectations The Age of Diminished Expectations
Paul R. Krugman

Mit Pr 1997-08-08
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和訳版もあるらしい.(本の題名の邦訳が意味不明.)
Paul Krugmanは超一流経済学者(歴史に名前を残す可能性のあるレベル)で,彼の著書を読むのは僕は3冊目.(1冊目はこれ,2冊目は,これ.)2冊目は本当に砕けた文体だったが,それに比べるとちゃんとした文体.
割と平易に書かれている.といっても,マクロ入門レベルの知識はあったほうが,気持ちよく理解できる.しかし,中級以上のマクロ経済学の知識は必要ない.数学なんて一切しらなくっても理解できる.逆に,これだけの基礎知識だけで気持ちよく現実経済についてモノを書けるKrugmanの才能はすごい.
経済学では何が分かっていて,何は分かっていないのかの線引きが明確になっていて,気持ちいい.知ったかは一切ない.自分が分からないことは分からないと述べている.それは,自分が分かっていることについての自信の表れでもある.知ったかぶりのインテリの俗説は,実名を出して一刀両断.
本の最後で,今後のアメリカ経済がどうなるかというシナリオを3つ書いている.3つのシナリオはこういうものですよ,と書いた上で,以下のように書かれている.([pp.204])

Finally, there is a fourth scenario that I do not include. This is the scenario in which the voters and the politicians take a realistic view of the situation, and decide to act responsibly and decisively now rather than wait until action becomes unavoidable. It is easy to describe the economics of this scenario, but it seems so unlikely that it is hardly worth discussing.

人は合理的なんかじゃないってことを,Krugman流の皮肉っぽい文章で表現していて,おもしろいと思った.

『経済論戦は蘇る』の読書感想

2002年に出版された本。かなり話題になった経済本なので、いまさらながら、通学の電車での暇つぶしに読んでみた。

2002年の時点で、当時の経済論戦を二項対立に整理できたのはすごい。そして自分の立場はなんなのかもはっきりさせている。自分の意見をはっきり主張するし、自分がおかしいと思う意見を主張する人のことはきっちり批判する。それは、自分の主張に自信がある証拠だと思う。それから文章力もある。読みやすい。人に訴えかけるのが上手。