『ゲーデルの哲学―不完全性定理と神の存在論』の読書感想

力作.ゲーデルのやった仕事は一般人には理解が難しいが,この本は一般人でもなんとかわかるように工夫して書かれている.とは言え,それでも内容は難しい.でも,パズルをところどころで解かせるので,読んでいて飽きない.
ゲーデルの性格,人間関係についても書かれている.友達はアインシュタインとフォン・ノイマン(コンピュータの生みの親で,ゲーム論つくった人)の二人しかいなかったらしい.ネクラの天才は天才としか友達になれなかったんでしょうか.
最後の方で,神の存在論についても述べている.ゲーデルだけでなく,歴史上,神の存在証明だとか非存在証明をやってきた人がいるけど,彼らの証明方法についても軽く触れている.でも,ゲーデル自身は神学論争に参加するためではなく,純粋な論理学の研究対象として,神の存在論の証明をしてみただけらしい・・・とか書いてあったが意味不明.「純粋な論理学の研究対象として,神の存在論の証明をしてみた」って頭いかれた人の発言にしか聞こえない.
数学,哲学,論理学,科学に関心がある人は,読んで損は絶対にない.こういう本を読んでしまうと,なんだか経済学がちっぽけな学問に思えてくる.発展途上学問だから当たり前なんだけど.

コメント

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