ビューティ・プレミアム

先週聞いた研究発表に「ビューティ・プレミアム」というものがあった.論文の要旨は,以下より読める.
http://www.jeameetings.org/2006/Program/2006/Yasui-1022am1r841.pdf
Beauty Premium とは,容姿の良さがもたらす賃金の割増分,と定義される.要は,「美人は得」ということわざって本当なの?ということを回帰分析した論文.結論は,Beauty Premiumは存在する,となっている.美人は得なんだってさ.
もちろんツッコミpointもある.データに客観性がない,限界効果になんの意味があるのか,一致性はあるのか,ほかの業種だとどうなのか,本当に因果関係なのか,etc.
でもこの結果自体,けっこうおもしろいと僕は思った.でも発表途中で聴衆から「Beauty Premiumを実証して,なんの意味があるんですか?」という質問があがっていた.それで,学問の目的ってなんなんだろう,とか考えてしまった.全ての研究は,現実社会の役に立つ研究でないといけないのだろうか?それとも,「おもしろい」とさえ思えればそれでいいのだろうか?Beauty Premiumの論文は,この研究自体がおもしろいと思った.
発表者は,研究のモチベーションとして,もしもBeauty Premiumが存在すると労働市場のパレート効率性が損なわれるからこの研究は大事だ,と冒頭に述べていたけど,仮にパレート効率性が損なわれていなかったとしても,この研究はおもしろいからそれでいいと思うんだけどなー.

コメント

  1. chara より:

    ほんとなんかそれ単純に面白そうだね~☆笑 
    こうきしん☆

  2. […] データさえあれば,計量経済学はそれなりに洗練された統計分析テクニックを作り上げてきたので,どんな分析でも出来る.「美人は得か?」を分析した論文もあるし(ビューティ・プレミアム),「賞金が高いとプロゴルファーのスコアがよくなるか?」を分析した論文もある(経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)を参照.). […]

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