『無限のパラドクス―数学から見た無限論の系譜』の読書感想

著者の足立恒雄教授は早稲田大学の理工学部長で、数学史などが専門らしい。けっこう面白かったので、ほかの著書にも手を出してみようかな。
本書は、「歴史上のえらい数学者が『無限』にどう立ち向かってきたか」という視点から書かれた数学史の本。例えば、ゼノン、プラトン、アリストテレス、ユークリッド、アルキメデス、コペルニクス、ティコ・ブラーエ、ガリレオ、ケプラー、デカルト、フェルマー、ニュートン、ライプニッツ、テイラー、オイラー、フーリエ、ガウス、コーシー、ワイアシュトラス、クロネッカー、デデキント、カントル、ヒルベルト、ラッセル、ゲーデル、といった超有名数学者が次から次へと登場し、彼らが何を考え生きたかを追っている。
あらためて思ったのが、ここでも書かれていることだけど、現代人が習う数学の順序とは逆向きに数学は発展してきた、ということ。
現代人は、集合論→実数の性質→極限→微分積分、という順序で習う。けど、数学史でみれば、微分積分が先に見つかってから、無限とか極限とかいう概念について解析学的な基礎付け、考察が行われていった。で、最後にカントルの集合論が登場することで、無限にも大きな無限と小さな無限があることが証明される。
順番が逆であることが、ひょっとして最後の無限のパラドックスかも?!

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