ノイズと情報の区別

世の中、いろいろな情報があって中にはガセネタだってまぎれている。投資するときに収集する情報だって、すべてが正しいとは限らない。というか、信頼性が無い情報ばっかりかもしれない。

今日聞いた話では、某金融機関は、今年終わりの為替レートは110円くらいに戻るだろう、という見方を示していたらしい。昨日聞いた別の某金融機関の投資戦略レポートでは、イメージとして、今年後半は円高にむかうでしょう、という見方を示していた。どっちだよ。うーん、どっちでもいいや、どうせ効率的市場仮説が真ならば、為替の予測は不可能なんだし。いやいや、でも大手金融機関が時間と労力を頭脳を結集して作った予想なんだから、それなりに信頼あるっしょ、という気もする。どっちだよ。

このブログで「今年は97~98円くらい周辺をうろうろするでしょ」と言ってみたところで、この情報だって正しいかどうか分からない。もし当たったときは、大声で「俺、為替の予想あたったよ」と自慢する。他方、外れたら、ひっそりとしていて、目立たないようにする。

別に僕に限らず、世の中のたくさんの予想屋も僕と同じ態度をとる。結果、為替の予想は不可能ではないような印象を持つ。(当たっている人ばっかりにスポットライトがあたるというバイアスのせいで)。それで、自分にも出来るのでは?と思う人がいる。その人が為替で一儲けしようと、マーケットに参加したとしよう。で、負けちゃうわけ。「やっぱり、市場を打ち負かすのは無理」と思って、もうマーケットに復帰してこない。すると、マーケットでは「一生懸命勝とうとする参加者」が減る。結果、荒稼ぎする余地が少し生まれる。その余地を見逃さないチャッカリ者は絶対にいる。すぐに「その余地」は消滅する。こうして、市場は効率的な状態に復帰する。すると、「やっぱ、為替で儲けるの、無理っす」と感じる人が増え、一生懸命情報を分析する参加者が減る。結果、一生懸命情報を分析した人には、荒稼ぎする余地が少し生まれる。その余地を見逃さないチャッカリ(以下、略、というか無限ループ突入)。

これは、市場の効率性は、高いときもあれば低いときもあるのだ、ということの雑談レベルの、一つの説明。効率的市場仮説は、みんなが信じれば成立しなくなり、みんなが信じないと成立する、という不思議な仮説なのです。

世の中にあるどの情報が正しく、どれが間違ったノイズなのか?区別は困難。市場の効率性の度合いが変化する背後には、情報とノイズの流通量も変化しているんじゃないか。と、いい加減なことを言ってみる。

しっかし、いま資産運用するのはしんどいっすね・・・。

コメント

  1. keychi より:

    あけましておめでとう。
    投資に関する本を何冊か読んで勉強した程度のレベルだけど、いまのところ実際に自分の予想が当たるのは6~7割の間くらい。(要するにあまり当たってない・・・)
    実は最近FXをはじめたので、なるほどーと思いながらブログ読んでます。
    では。

  2. daniel より:

    あけましておめでとう。
    自分の頭を整理する意味でも、このカテゴリーを作成したのは、正解だったかな。
    せっかく勉強した知識を生かないと意味ないもんね。

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