やっぱり過剰に円高だと思う

今の1ドル90円は、やっぱりちょっと円高過ぎると思う。もうちょっとの円安が、あるべき水準だと思う。で、物価水準やら金利差とかを考慮に入れて、自分なりに適正レートを計算してみたら、97~98円くらいという結果になった。

榊原英資氏は、2008年03月27日付けのこの記事で、「1ドル90円でも円高ではない」、と述べている。また先週の京都で行われた新春経済講演会で、伊藤元重先生も「今の1ドル90円が円高なのではなく、いままでが超円安だった。また円安水準に戻るだろう、という前提で経営をしてはいけない」と述べていた。

僕も、こんなことを書いた。一言で言えば、「2008年中には再び1ドル100円を切り、3年以内に90円くらいまでいくんじゃないか」ってことだった。別になんてことはない、PPP理論に基づいてみると、円は安すぎるなー、って感じただけで、それを適当に書きなぐっただけ。当時はアメリカは順調に物価があがっていたし、円高トレンドはしばらく続くんだろうな、って思っていた。

「1ドル90円でも円高ではない」という主張の基本的な考え方は、こう。10年前と今を比べると、日本では物価水準はほぼ変わっていない。他方、アメリカでは物価は30%上昇した。10年前は、だいたい1ドル120円だった。120/1.3=90円である。だから、1ドル90円は、別に円高ではない。むしろ、いままでの数年間の100~120円くらいのレートが、超円安の円安バブルだったのだ。その円安バブルを生んだのは、日本の超低金利による円キャリートレードである。いまの90円は、円安バブルがはじけただけってこと。

・・・さて、これ、一見もっともらしいし、榊原英資&伊藤元重というビッグネームのお墨付きでもある。でも、僕なりに考えてみた結果(そのロジックは省略)、冒頭に述べたように、やっぱり今の90円は円高だと感じる。97~98円あたりが、今の時点での適正レートだと思う。

いま、日米金利差は解消されたので、中期的には円高トレンドも円安トレンドもない。さらにアメリカでもデフレリスクにされされそうなので(Krugman, Mankiw)、長期的にも円高トレンドも、円安トレンドは無いはず、というのが、現時点での合理的予想。というわけで、今年は現在の90円から、97~98円くらいに向かって、ちょっと円安にふれるんじゃないかな、というのが今のところの僕のビュー。

短期的に到来した日米金利差解消に伴って、円安圧力が円高圧力にあっという間に変わった際、物価水準でみた場合の「あるべきレート」である円高方向に為替が動いたはいいが、「あるべきレート」である97~98円を飛び越えて、90円までいっちゃった、というのが僕の考え。なぜ非合理なレートまでいってしまったかというと、円高圧力が過剰に強かったため&米国経済先行き懸念で投資家が異常にリスク回避的になったため、というのが僕なりの説明。

非合理レートは、適正レートの10%くらいしか乖離しないとすれば、97~98円からしたら、89円くらいまではいく可能性がある。でも、そのうちもうちょっと円安の方に戻るんじゃないかな。もちろん、いまの世の中、不確実性がかなりでかいので、何があってどうなるかわからんけど。

ちなみに、95年4月に80円を割り込んだことがあったが、あれと同じくらいの異常なことがおきれば、僕の計算では、1ドル60円くらいまでいく可能性はある。(not 50円。∵95から98年にかけての日米の物価水準も考慮に入れないといけないから)

「やっぱり過剰に円高だと思う」への4件のフィードバック

  1. 今の1ドル90円は、実質で見たら円高ではない、という主張について

    以下のエントリーを読んだ僕の感想。円安バブル論というバブル @himaginar…

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