『君主論』の読書感想

マキアヴェリすごいよ。時間の淘汰に500年近くも耐えてきたのは伊達じゃない。政治理論としても興味深いが、リーダーシップ論としても面白い。麻生太郎はこういう本も読むべきだ。

で、内容。マキアヴェリが本書を執筆した時点(1513年頃と推定)での歴史から得られる教訓をまとめており、ローマ帝国、古代ギリシャ、教会、などが言及されている。歴史好きにたまらん。

印象に残ったフレーズをメモ。

すなわち、他人に勢力を得させる原因を作る者は自ら滅びる。(p48)

「自らの力に基づかない権力や名声ほど頼りなく、不安定なものはない」というのは常に賢人の懐く見解であり、箴言であった。(p119)

このように君主は戦争の訓練を決して念頭から離してはならず、戦時よりも平時において訓練に励まなければならない。(p122)

心の訓練についてみるに、君主は歴史を読み、その中で偉人達の行動を考察しなければならず、戦争において彼らがどのように行動したかを知り、勝因と敗因とを検討して後者を回避したり前者を模倣したりできなければならない。(p124)

当代において大事業をなした人々は例外なしにけちという評判のあった人々であり、その他の者は滅亡した。(p131)

恐れられることと愛されることについては、次のような結論が導き出される。人間は自らの意に従って愛し、君主の意に従って恐れる。したがって、賢明な君主は自らの自由になるものに依拠すべきであって、他人の判断に依存してはならない。(p140)

可能な限り好ましい行為から離反せず、しかし必要な場合には悪事に踏み込むことができる心構えを持つ必要がある。(p144)

大衆は、事柄を外見とその結果とのみから判断するものだからである。そしてこの世にはかかる大衆だけが存在し、大衆が支持する場合にのみ少数者は初めて影響力を持つことができるのである。(p145)

一般大衆は財産や名誉を奪われない限り満足して生活し、したがって君主は少数者の野心とだけ戦う必要があるにすぎず、この野心を抑圧する手段は数多くあり容易である。(p147)

すなわち、君主は非難を招くような事柄は他人に行わせ、恩恵を施すようなことは自ら行うということである。(p152)

優柔不断な君主は、現前の危険を回避しようとして多くの場合中立政策をとり、多くの場合滅亡する。(p175)

歴史に残るレベルの本にある名言というのは、高度な定理化・法則化と言えそう。すごい。

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