『ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス』の読書感想

『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か』の続編。「続編は、前作に比べてしょぼくなる」ってセオリーを破った。前作並み、あるいはそれ以上。ちょーおもしれー!

あらすじはこんな感じ。前作で工場長だった主人公。本書では10年の月日が流れ、副社長になっている。主人公が手がける多角事業は行き詰まりを見せており、買収した会社を売却しコアビジネスに集中することが、取締役会で決定されてしまう。それを阻止すべく、買収した3社それぞれを立て直していく。3社の社長には、前作にも登場した主人公の元部下。立て直す過程で、著者の提唱するTOC(Theory Of Constraints)が使われる。物語を楽しく読み進めだけで、TOCも自然と頭に入っていくよう書かれていて、著者のすごさを感じた。

本書は、三つの意味で読む価値があった。

一つ目。前作は、「生産工程におけるボトルネック」にフォーカスがあてられていたが、本書では、「思考プロセス」にフォーカスしている。単なる生産管理の理論を、一般化してもっと幅広い問題を解決する考え方へと昇華している。それを知れたという価値。

二つ目。経済学を修士までやり、いまビジネスの世界にいる自分だからこそ得られる刺激を得たという価値。企業の目的は何だろう?経済学的には「技術制約のもとでの、利潤最大化」つまり、”max π, s.t.~”でしかない。でも、そんな単純なもんじゃないじゃん。価格は何によって決定されるのだろう?経済学的には、需要曲線と供給曲線が交わるように、でしかない(でも、そんな単純なもんじゃないよね?)。消費者の価値観と、生産者の価値観が衝突して適切な落としどころに決まるということなのだろうか?でも、実際に市場では、衝突してないんじゃないか?消費者の方が常にバーゲニングパワーが強く、生産者は損な価格で販売を強いられているのではないか?実際にビジネスしたことがない経済学者の妄想は、もうどうでもいい。

三つ目。純粋に面白いストーリーが読めるという価値。面白い映画でも見てるみたいだった。

内容が濃すぎる。手元に置いといて、たまに読み返したい。

コメント

  1. 突然の御連絡、失礼いたします。
    (株)ブログウォッチャー編集部佐藤と申します。
    たびたび申し訳ございません。
    「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」の書評ブログ記事を株式会社リクルートエージェントの公式コミュニティサイト「BizRavel」に掲載させて頂きたく、御連絡差し上げています。
    弊社は株式会社リクルートのグループ会社でして、ブロガー様とのご連絡を代行させて頂いております。また、ブログなどの口コミを活用したwebサイト制作を行っています。
    ブログ更新、投稿義務などブロガー様への御負担は一切ございません。
    この掲載が貴方殿のブログへの集客口として貢献できれば幸いだと考えております。
    詳細について、ご連絡させていただきたいので、2010年7月5日(月)までに
    お返事をいただけませんでしょうか。
    何卒、ご検討の程宜しくお願い致します。
    株式会社 ブログウォッチャー
    編集部 佐藤  bizravel@blogwatcher.co.jp

タイトルとURLをコピーしました