学会の感想

初めての学会で緊張していたけど,あっという間に終わってしまった.こんなもんかな.
ファイナンス学会は,経済学に限らず理工系の研究者,ビジネススクールの先生なども参加している.さらに,金融の実務家(銀行などで働いている方),政府当局の関係者(日銀所属の研究者)などもいる.とにかくいろんな分野の人がいるところだったし,学会のアカデミックな雰囲気は気持ちが良かった.そして,そこで発表できて楽しかった.討論者の先生が好意的なコメントをしてくださって,感謝します.
日銀の岩田副総裁が「ヘッジファンドと国際金融市場」というタイトルで特別講演も行ってた.会場,満員だったな.聴衆の中を見ていても,有名教授の顔がいたり.そして,講演内容はすばらしいと思った.・・・さっそくニュースになってる.
ヘッジファンド情報を直接収集…岩田日銀副総裁が方針表明@読売新聞

 岩田副総裁は、ヘッジファンドが、多くの資金を供給して金融市場の流動性を高めていることなど、一定の役割を評価した。その一方で、ヘッジファンドが破たんすれば金融システム全体を不安定にする危険性も指摘し、日銀がヘッジファンドの情報収集に力を入れていく方針を表明した。

講演の最後にすこし時間あまったので,司会者(池尾先生)が,「質問を受け付けます」といったときに,「どうやってヘッジファンドから情報収集するんですか?彼らに情報開示するincentiveないと思います.」って聞きたかったんだけど,大会場で満員で,有名教授も聴衆にいるような状況だったので,「は?なにあの若造」となりたくなかったので,院生に質問できる雰囲気ではなかったな(笑)・・・と思ったら,この質問を別の先生がしてくれた.答えは,ヘッジファンド関係者からヒアリングをするとか,そんな感じだった.すると,さらにつっこんだ質問,「情報を法的に強制的に提出させる手段は考えているか?」がでた.答えは,「その予定はない」だった.
日銀の副総裁ともなると,変なこと言えないから,発言に注意しないといけなくって大変ですな.

日本ファイナンス学会

今週の土日の二日間,日本ファイナンス学会が開催されます@慶應義塾大学,三田キャンパス.詳細は,以下です.
2007年6月16日(土)
2007年6月17日(日)
僕は,二日目の14:30~15:10に発表します♪場所は,西校舎の526です(会場C Statistical Modeling of Financial Data).
学会発表は初めてなので緊張気味,というか学会に参加すること自体初体験♪楽しみです.

『時間とムダの科学』の読書感想

時間とムダの科学 時間とムダの科学
大前 研一 ほか

プレジデント社 2005-08-18
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成功したと言われる経営者たちがたくさん登場し,自分のタイムマネジメント力がいかに高いかを自慢し続けている本.タイムマネジメントは人それぞれだから,他人が言ってることを真に受けるつもりはないけど,やっぱ成功している人の話なのだからそれなりに参考になる...でもやっぱり人は人だからマネしようとは思わない.
みなさん,早寝早起きの人が多いね.早寝遅起きの私はどうしたらいいんでしょうか.

『文明の逆説―危機の時代の人間研究』

文明の逆説―危機の時代の人間研究 文明の逆説―危機の時代の人間研究
立花 隆

講談社 1984-01
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ふと自宅の本棚にあったこの本をなぜか読んでみた.僕の人生のdiscipline(規律)は間違いなく経済学だけど,これからはもっとほかのジャンルの本を読もう,という気分に今なっているから,ふとこんな本と目が合って読もうと思ったんだろう.
話の筋としては,人間は人口が増えすぎて生態バランスが崩れそうなので,これをなんとするために人類は自ら人口を調整しようとしているのだ,それが「親の子殺し」といった悲惨な事件として現れているのだ,という感じ.
経済学漬けの私だが,これからはもっといろんな本を読んでみよう.そうしないと,この本がトンデモ本なのかどうかすら,世間の相場観が分からない.
(余談)本書の中で,「四色問題は解けた!五色必要な地図が発見された.」と立花が勘違いしていたことが書かれている.エイプリルフールに,ある学術誌にそんなウソ論文が載っていて,そうとは気づかず信じてしまったとのこと.もちろん,実際には「どんな地図も,四色あれば塗り分けられる」ということが,いつだったか何十年前かに証明された.そして面白いのは,「五色必要な地図」として示された地図を立花が四色で塗ってみようとしたら,「それは無理だった」と立花が書いている点.いかに人間は権威に弱いのだろうか,という好例.「学術誌の載っていた例だから,四色では塗りきれないに決まってる!」という思い込みが,立花の目を曇らせたのだ.

『人と集団を動かす 人間力―心をつかむ‐達人たちに学ぶ50の知恵』

人と集団を動かす 人間力―心をつかむ‐達人たちに学ぶ50の知恵 人と集団を動かす 人間力―心をつかむ‐達人たちに学ぶ50の知恵
新井 喜美夫

祥伝社 1997-07
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こんな本を読んでみた.10年くらい前の本.出だしはまぁまぁおもしろかったけど,通読する必要はなかったな.
出だしでは,豊臣秀吉と部下のやりとりがあって,それが印象にのこる.秀吉が,この世で一番多いものは何か,と問うと部下が,「それは人でしょう」と答える.ではこの世で一番足りないものは何か,と問えば,「それも人でしょう」と答える.
後者の意味での人とは,「時代が必要としている人材」という意味なのだと思う.「人はたくさんいるけど,人材不足」なのは何も今に始まったことではなく,いつの時代も同じことなのかな.現代で言えば,国際感覚豊かでリーダーシップを発揮できて,新しい価値を創造できるような人材,ということなんだろうか.
まったく話は変わるが,今日某先生が「これからは地方の時代」としきりに強調していた.相対的に費用が安い地方に投資をすると,そこに人が集まり,相対的な低コストというメリットがそのうち消滅する.消滅すると,今度は次に相対的に費用が安い別の地方に投資が行われ,やはりそこに人が集まり,相対的な低コストというメリットが消滅する.循環して,全国土に資金,人が行き渡り,最後にまた都市に戻ってくる.そんなストーリー.そして,この循環を出発させる努力=東京に投資をしないという政策,だと.

論文を英語化

http://www.sugi-shun.com/papers/KESDP_07-2.pdf
英語バージョンのDiscussion Paperを作りました.まだシェイプアップすべきところが多々あると思いますが,いい閃きが降りてくる&自分の研究意欲が高まる時期が来るのを待つしかありませんな
この論文も楽しかったが,修士論文もやらないと.